世の中には専門家と呼ばれる人が沢山いて、毎日のテレビやネットまた新聞などの記事で自身の知識を使い僕たちに情報を与えてくれています。
僕たちは、そんな専門家(自称も含む)がもたらしてくれる情報をもとに選挙に行ったり何かを購入したりと判断の材料にしていますが、情報を提供してくれる人全てが信用できるのかどうかは疑問です。
今回はそんな自身の意見を述べている人の信用について考えたいと思います。
本来専門家とは信用できる人
普段テレビやネット記事を読んでいると必ず専門家と呼ばれる人が出てきます。
政治・経済・外交・軍事・教育・芸能などジャンルは非常に多く、専門性が必要とされるニュースが取り上げられると必ず専門家として呼ばれています。
専門家の概念は
専門家とは、技術・芸術・その他特定の職域で精通し、専門的な知識と能力のある人のことを言います。 Wikipediaより
つまり、特定の職域に精通しており専門の知識を持ち合わせていれば
誰でも”専門家”なんです。
豊富な知識だからこそ信用できる人になれる
専門家には豊富な知識が求められます。
知識を駆使して事例を説明し、ことの背景やなぜそのようになったのかを分かりやすく分析することで知識を持たない僕たちに分かりやすく説明をしてくれます。
どのジャンルでもそうですが専門的な知識と言うのはほぼ無限にあり、分からないことが無いことを求められる専門家ですが、そんな専門家には知らないことは無いのでしょうか?
知らないことを知らないと言える人かどうか
世の中に沢山いる専門家ですが、僕にとって信用できる専門家の基準は
”知らないことを知らないと言える人”です。
もちろん僕たち素人がする質問には、無限に答えて欲しいという気持はありますが、きっと中には答えられない質問もあると思うんです。
専門家同士の議論ならば共通のテリトリー内での”せめぎあい”になると思うので、お互いの持っている知識でのやり取りが可能だと思いますが、全くの素人がするキラーパス的な質問には意外と答えられないこともあるような気もします。
その時に専門家が「自分が知っている知識はここまでなので、その質問の答えは分からない」と言えるならば、その人は信頼に値する人だと思います。
簡単に言えば、専門家でありながら”知らない”と言える度胸(潔さと)と、知らないのに知っているかのように取り繕うことをしないことに信用ができるのです。
信用できない人
専門家と言えども知らないことがあっても可笑しいとは思いません。
日々、色んなことが更新されている世の中なのでむしろ知らないことがあっても不思議ではありません。
しかし、その知らないことを知らないと言うことが”負けである”と思っている専門家がいたとしたら、その人は信用に値する人でしょうか。
質問を受けて本当は知らないはずなのに、プライドが邪魔をするのかまるで知っているかのように取り繕うようであれば残念ながら信用できません。
逆に、自身が持っている知識と持っていない知識の境界線を正しく理解している専門家ほど、客観的に自分のことを見ることができているので信用に値します。
信用できる人の見分け方
以前、テレビで医療関係の専門科としてテレビに出演していた人がいたんです。
質問の内容は
「どうして急激に蔓延していたはずの病気が減ってきたのか?」
何人かの専門家は自身の知識を使って意見を述べていましたが、正直言ってどれも本当なのか分からない内容でした。
しかし、その中の専門家の一人は
「新しい病気に関しては分からないことがほとんどなので、実際に今起きている現象はなぜなのか理由は分からない」
と言ったんです。
テレビのコメンテーターの人は笑いながら、ちゃんと説明してくださいよ!と言っていましたが本質はここだと思うんです。
自身の知識を使って一生懸命に説明する専門家が悪いのではなくて、自身の知識では説明がつかず分からないと言える専門家の正直さが信用に値するんです。
分からないと言える人こそ信頼に値する
僕たち普通の人間であっても、なかなか聞かれた内容に対して”分からない”と言いにくいものだと思います。
そんな中で、専門家と言われる人の”分からない”と言う発言は勇気のいることだと思いますし、逆にそれこそが信頼できる理由にもなると思います。
さいごに
専門家と呼ばれる人の意見は重要で、知らない僕たちに知識を与えてくれます。
しかし、そんな専門家でも全ての人が信用できるとは思っていません。
中には自身の基本的な考え方や育った環境など様々なことが影響して、全体を俯瞰して見れず偏った角度からの意見になっている人もいます。
これは、専門家だけでなく普段から付き合いのある友人であったり、会社の同僚や上司にも当てはまります。
何かを決断しないといけない時の判断材料として人の意見を聞く時、その人を信用できるかどうか見極めることは非常に大切になります。
そんな時は、プライドや体裁を気にする人ではなく、知らないことを知らないと言える人の意見を聞いてみてはどうでしょうか。