当サイトには広告が含まれている記事があります

【パニック障害 体験記 #11 】パニック発作はゆっくりと待ち構えていた

謎の体調不良(まだこの時はパニック発作のことは知らない)と思われる経験をしてからしばらく憂鬱だったが、それ以来ちょっとした体調不良はあったものの、何とか日常生活に支障なく毎日を送っていた。

 

地獄のような苦しみを初めて味わってから、約1ヶ月後の7月上旬。今日は予定になかった会議に参加しないといけない日だった。

 

本来は先輩社員のNさんが出席する予定だったが、その日を代休で休むことになり、その役目が僕にスライドしてきた感じだ。

 

そもそも、その会議に参加すること自体に疑問があり、僕たちの会社が参加する必要のない会議だった。その会議の内容は伏せておくが、要するに先輩のNさんが参加しなくてもいい会議に「ぜひ参加します」と言っておきながら、自分は代休を取って参加せず、僕に代わりに行って欲しいと…。

 

僕は僕でやっつけないといけない仕事が山のようにあったことから、貴重な時間を奪われることに苛立ちを覚えて「なんでだよ!」と朝からストレスフルでイライラしていた。

 

会議は午前中の10時から市中心部にある会議場で行われる予定だった。

 

ギリギリまで自分の仕事をしながら、時計を見ると9時40分を回るところだった。会社からその会議がある場所まで約10分ちょいで行けることから、会社の営業車に乗り込み職場を後にした。

 

憂鬱な気持ちでハンドルを握り、自分の時間を削がれた行き場のない怒りをぶつけるようにブツブツと文句を言いながら現場へと向かった。

 

道路を左折し、建物が入っている敷地内に入り駐車場へ車を走らせる。この建物には会議で何度も来たことがあるので場所はよく分かっている。車を停めて時計を見ると会議開始の5分前。エンジンを切り車から出たその時だった。

 

「あれ、ちょっとめまいがするぞ」

 

夏本番まではいかないが蒸し暑い季節になっている。7月に入って1週間ほど経過しているこの季節は、冷房が効いた車内から出ると一気に汗が噴き出してくる。

 

暑さのせいか分からないが立ちくらみのような感覚を覚えた。この暑さのせいだろう。そう思いながら急いで建物に向かって走って行った。

 

目指す会議室は2階なのでエレベーターは使わず、併設されている階段を駆け登って行く。動悸がするが、きっと走ったからだろうと思い特に気にしなかった。

 

目の前に会議室があり、20畳ほどの室内には既に今日参加する10名ほどの出席者が席に着いていた。

 

昔から、こういった会議に参加する時は出口に近い場所に座りたい派だったので、会議室の扉を開けてすぐの席に座ろうとしたが、この会議をとり仕切る人に笑顔で

 

「奥の席にどうぞ」

 

僕の計画はあっさりと頓挫してしまった。

 

静まり返った会議室に入り、奥の席を促された僕は笑顔を振りまきながら奥の座席へと向かった。席に座り、会議のレジュメに目を通しながら会議が始まるのを待っていた。

 

っとその時だった、目の前が急に真っ暗になる感覚を覚えた。

 

「あれ?」

 

そう思うと同時に色んな感覚が怒涛のごとく襲ってきた。

 

目の前が真っ暗になったかと思えば、めまいで頭がクラクラし、次の瞬間には激しい嘔気が襲ってきた。同時に感じたことのない脂汗が頬をつたう。手足が震え息ができない。まさに窒息しそうな状態。

 

これは普通じゃない。急いでこの場を離れなければ!何かに追いやられるような気持ちになった僕は急いでスマホを取り出し、まるで着信があったかのように電話をかけるフリをしながら会議室の外へ向かった。

 

足元はヨロヨロして、まっすぐに歩けない。めまいも続いていることから足取りも悪い。もしかしたら僕の異常に気づいた人がいるかもしれない!そう思ったが皆レジュメに目を通しているので顔を下げている。誰も僕に起こった異常には気付いていない。

 

今にも窒息しそうな僕は口をパクパクさせていた。

 

急いで会議室の外へ向かうが、たった3メートルほどの距離がまるでマラソンのように感じる。やっとの思いで外に出た僕は一目散に外の空気が吸える場所に向かった。

 

「ヤバい、おかしいぞ。この間のと同じだ」

 

そう呟くと、その場に座り込んでしまった。

 

 

続きを読むにはこちらから⤵️

chacha-cat.hatenablog.com

 

初めから読むにはこちらから⤵️

chacha-cat.hatenablog.com

 

プライバシーポリシーお問い合わせサイトマップ