みなさん食べることって好きですか?
ストレス発散に「食べること」と答える人も多いと思いますが、それ以前に気の知れた仲間とご飯を共にするのは楽しいですよね。
しかし、パニック障害になってしまった人の中には、この楽しいはずの「食事会」が苦痛になってしまうこともあります。
僕もその一人なんですが、今まで居酒屋やレストランなどに食べに行くのは好きでしたが、パニック障害になってしまってからは広場恐怖症の一つが飲食店になってしまったようで、外食に行くことが苦手になってしまいました。
では、永遠に外食を諦めるのか?そうではありません。
結論から言うと、個室のあるお店(座敷が望ましい)を使うことによってパニック障害持ちでも飲食を楽しむことができる可能性が広がるんです。
この記事では、パニック障害になったことから外食が苦手になってしまった僕自身が、ある一定の条件下(個室のあるお店)では外食できるようになったことを解説しています。
パニック障害になって飲食店が苦手に
パニック障害後に飲食店(ラーメン店)でパニック発作を起こしてしまい、大変な目に遭ってしまったことがあります。
僕はパニック障害になる前から、同僚や友人と飲みに行くことが時々ありました。
友人達との飲み会は楽しく、いい息抜きにもなっていたので積極的に参加していました。
会社の垣根を超え、同業者数人と情報交換を兼ねて2、3か月に一回ぐらいの間隔で飲み会をしていました。
毎回恒例となっており、リーダー的な役割を担ってくれている人がラインで皆に声をかけて行われていたんです。
その時もラインでお誘いがり、今まで通り参加すると返事をしましたが、ラーメン店でパニック発作を起こしてしまった後だったので漠然とした不安のままでした。
また、この時にはまだ友人達にはパニック障害のことを話していなかったので「パニック発作が起きたらどうしよう」「バレて恥をかいたら…」という恐怖感を持ったままでの参加になってしまいました。
外食で吐き気が襲ってきた
場所は以前から飲み会でよく使用していた居酒屋。
当日は奥さんに車で送ってもらい僕が一番乗り。まだ店に他の客はいなく、店員に名前を告げ静かな店内のよくある6人掛けほどのテーブル席に通され座ること数分…。
なんかソワソワする感じと同時に息苦しさと吐き気が襲ってき、
「えっ、マジか!」
ラーメン店での出来事がフラッシュバックのように思い出され、どんどん呼吸が荒くなっていきました。
これは間違いなくパニック発作が起きていると確信し、すぐに外へ出ようと電話をしているフリをしながら外へ向かいました。
外へ出ると以前の研修会の時のように息が楽になり、動悸も落ち着き楽になりましたが、これではますます席には戻り辛く、理由をつけて帰ることにしようと思った矢先、目の前に遅れてきた友人が。
「こんばんは、早いねぇ。いつきたの?」
と話しかけてきて、すかさず
「ちょっと前に。今電話がかかってきたから終わったら戻るわ」
何とか誤魔化してその場を乗り切ることに成功。
その後は、どうするか考えながらスマホを耳にあてていましたが、次々と出席者が現れ結局、僕が席についていない最後の一人になってしまうことに。
その後、意を決して席に戻り何食わぬ顔で6人掛けの一番端を陣取り、いつでも外に出れるポジションを手に入れることで少しは安心することに成功。
次第に、他のお客さんも入ってきて、店は満席の状態に。
何度か波のように襲われる嘔気感とめまいに耐えながら、どうしても無理な時はトイレに行くフリなどしてやりすぎしていましたが、当然全く楽しくなく、ただただ苦痛でしかありませんでした。
理由は分かりませんがそのパニック発作的な症状は次第に薄れていきましたが、常に不安でいっぱいでした。
今思えば、苦しいながらもみんなの話に入って、ある意味で集中していた時は気持ち悪くなることは少なく、その話から出て集中を脱してしまうと急に不安感が襲ってきたように思えます。
つまり”考えてしまう時間”ができるとダメなのかなと。
その間、常に頭の中には「みんなの前で吐いたらどうしよう、倒れたら恥ずかしい」それを考えれば考えるほどソワソワする感じは酷くなっていきました。
結局僕は、その場にいることに限界を感じ、明日が早いことを理由に先に帰らせてもらうことにしました。
パニック障害をカミングアウト
それから何日かして、その飲み会仲間の中でも特に仲の良い2人(年齢的にも業界的にも先輩で女性)と会う機会があり、ずっと隠しているのは難しいと考え、この2人なら話しても大丈夫という信頼感があったのでパニック障害のことを話すことにしました。
いつもふざけたことを言っている僕が、神妙な顔つきで「お話が…」というもんだから2人も緊張していたが、ことの説明をすると
「話してくれてありがとう、辛かったね」
「私たちも気づけなくてゴメンね」
と暖かい言葉をもらうと同時に、信じられないほど気分が楽になりました。
”人に「バレてはいけない」というプレッシャーがパニック障害には相当悪い影響を与えていたのだろう”
と確信しました。
それと同時に前回の飲み会での出来事も話したことで、全て理解してもらうことに。
そんな会話の中で、どうやったらまた一緒に飲み会に参加できるだろう?という話しにもなり、今までの僕の身に起こったシチュエーション全てを話した結果、一つの仮説が出ました。
- 他の人の目が怖い(バレたらどうしよう)
- パニック発作が起きているのを見られたくない
- 場合によっては楽な姿勢をとりたい
- 1人前を注文するとプレッシャーがかかる(ラーメン店での経験)
導き出された個室 (案)
そういったことから『個室』で居酒屋ならば大丈夫じゃないか?ということになりました。
個室であれば、万が一パニック発作が起きても他の人からは見えないし、気分悪ければ横になって休める、そして欲しいものだけ食べればいい。
さらに、パニック障害であることを知っている人だけで集まって、少しずつ人を増やしていき、環境に慣れれば行ける店も増えるんじゃないかと。
パニック障害で不安だったが個室という条件下で外食にチャレンジ
そこで、実験的に3人で個室の店をとって行ってみることにしました。
店に行く前は、ラーメン店でのことと前回の飲み会でのことが記憶によみがえり、軽く嘔気ぎみではあったものの、今回は僕のパニック障害のことを知っている人だけということを考えると多少の安心感は得られました。
店自体がそこまで大きな規模ではなく、更には個室が多いところだったので店に入った時には既に安心感をゲット。個室は四畳半ぐらいで3人には十分な広さ。
パニック障害になってからはお酒は控えていたのでノンアルコールビールを注文して、その他の食べ物は2人に任せることに。
僕以上に2人が緊張していて、何度も僕に
「大丈夫?」
その気遣いと自分を助けてくれているということが頼もしく感じ嬉しかった。
結局そこからは一度も気持ち悪くなることはなく、終始楽しい時間を送ることに。
さいごに
パニック障害は脳のバグと言われていることから、脳の勘違いを正してあげればパニック発作をある程度抑制できるはずと。
つまり、パニック発作を起こさい環境を作ってあげると共に、それを繰り返すことで脳のバグが正常に近くのではないかと思いました。
- 個室なのでパニック障害が周りにバレるリスクが少ない
- 万が一パニック発作が起きても気づかれない
- 緊急時には楽な姿勢がとれる
- 食事は欲しい物だけ食べられる
自身の経験を元に導き出された克服方法が上記の内容が担保されている場所であり、その条件に最も合致したのが居酒屋の個室だった訳です。
パニック障害の影響で苦しんでいる人は沢山いると思いますし、内容も人それぞれです。
僕の場合はパニック障害を隠さなくてもいい間柄の人と居酒屋の個室に行くことでそれが解決しました。
その後は、同じメンバーで何度か個室がある居酒屋にチャレンジして、大丈夫なことを脳に覚えさせてから、少しずつメンバーを増やしていきました。
もちろん新しいメンバーにはパニック障害のことを伝えることで、更に一緒に行ける人も増えました。
”パニック障害のことを隠さなくてもいい”
というのが僕にとって最高の対策になりました。
今は、こういった個室メインですが、少しずつ大部屋だったりレストランのような周りに僕の病気のことを知らない人がいる環境にチャレンジできればと思っています。
パニック障害で苦しんでいる人が、皆この同じやり方で解決するとは思いませんが、一つの方法ということで参考にしてもらえればと思います。